理事長所信
Step to the future
~ 未来を切り開く先駆者となれ ~
【はじめに】
「青年会議所とはどのような団体であるのか」を一言で表そうとした時、みなさんは自分なりの答えを持っているでしょうか。「明るい豊かな社会を築く団体」「市民意識を変革する団体」「恒久的世界平和を目的とする団体」「人類への奉仕の団体」具体的な事業も含め色々な答えがある事でしょう。我々は様々な運動をしているのです。しかしその結果、答えがあやふやになり、本当に目指しているものは何か人々に伝えられなくなってはいないでしょうか。私は理事長を拝命するにあたり、まずこの事について考えてみました。
私が考えるJCのありかた。それは、事業や例会を運営するだけではなく携わるすべての方に対し、「修練」「奉仕」「友情」の理念の下に意識変革、資質向上を促す団体である。このことは過去の活動や事業を見ても明らかであります。未来の幸せを担うのはいつの時代も青年が中心であることは間違いありません。青年会議所運動を大きく発信し、個々の成長を促し志を高みに置き、明るい未来へと邁進していくことが必要です。志高く、混迷する時代を明るい未来へと切り開く活動こそが青年会議所の運動であると信じ誇りを持って活動してまいります。
私は2017年度、この事を深く認識し、責任を持って、一つひとつの例会・事業に「全身全霊」で挑戦していく事をお約束申し上げます。
【50年の栄光と軌跡】
本年、備前青年会議所は、創立50周年を迎えます。毎年新陳代謝を繰り返し、時代に即して変えるもの、変えないものを取捨選択し、一度きりのその年に情熱を燃やしてきました。その覚悟ある行動の積み重ねは、地域や行政、各種団体との信頼を生み、今、つながりの中で我々は存在し活動しています。その感謝と先輩諸兄への敬意を表し、過去を検証することで、初めて次の未来を見据えることができるのです。過去から学び、未来を見据え、今行動する、その繰り返しこそ、青年会議所であり、この先も続いていくのです。
この50年の節目にあたり、我々はこの地域での存在価値、存在意義を再認識し、時代に即した新たなスタートを切る絶好の機会であります。「青年会議所もある」ともいわれる現在、情報を求め行政や他団体との連携をさらに強め、スピード感を持って目的に到達する青年会議所でなければなりません。それは、青年会議所の信頼を得ることだけではなく、青年としての英知と勇気と情熱をもって積極果敢に行動し、地域を牽引していくことが存在価値を高めることにつながるのです。我々は、失敗を恐れず行動し、反省から学ぶこの繰り返しは、新たな発見と進化した行動につながります。
備前青年会議所の目指すまちの未来の形を地域と共有し、ベクトルを合わせて行動することがこれからの我々の運動を促進させる起爆剤となるはずです。この先、未来永劫存続し続ける団体、それが青年会議所であります。その自信と誇りをもって周年を迎えましょう。
【会員拡大の意義】
創設以来変わらず繰り返されてきたことは、会員拡大であり、その行動があったからこそ、備前青年会議所が脈々と受け継がれてきたのです。
組織の存続は会員拡大にあります。「明るい豊かな社会」の実現を目指す我々が、市民の意識変革につなげるためには、より多くの青年が同じ志を持ち、多くの感性と価値観が集結することで新たな発想を生み、より時代に即した未来を創る洗練された事業に発展させることが重要です。また、同じ志と使命感をもつ会員相互が強く影響し合うことで切磋琢磨し、感動と楽しさを共有することで友情を深めていく、そんな素晴らしい組織であることに誇りと自覚をもって、会員拡大の意義や重要性を理解し、より拡大への気運を高める必要があります。
我々の目指すまちづくりを地域に根差し、発信していこうとするのならば、一人で叫ぶより、多くのメンバーで心を一つにし、行動すれば必ず社会を突き動かすことができると確信します。新たなメンバーが早く青年会議所に馴染みJCの魅力に魅了されることで、メンバーの減少を食い止めるとともに、メンバー全員が志を同じうする仲間の発掘に取り組む会員拡大の新たなスタンダードを確立させていきましょう。
【未来を担う青少年育成】
若者を中心とした社会全体のモラルの低下、子どもの教育問題についてはこの地域の将来を考える上で大きな問題であるといえます。古き良き時代には子どもは多くの大人の目の中で育つのが好ましいとされ、周囲の大人たちは近所の子どもを叱り、躾もみんなで行っていました。周囲の人々が家族のように子どもを見つめ、気に留めていました。子どもたちもそれらを感じ育ってきました。しかし、時代は変わり現代では、核家族化や自己主義の蔓延、人間関係の希薄化により古き良き伝統は失われつつあります。
そんな今、教育現場で必要なのはPTCA(家庭・学校・地域)子どもの教育について三者が緊密に連携することです。私たちが、学校教育に外側からの支援だけでなく、内側・外側の両方で参画する必要があり、地域の子どもは地域で育てるという「共育」こそが必要です。子どもを教育していくということは私たち大人がしっかりと子どもたちと目線を合わせ向き合うことが大切です。今、大切な時期を迎えている子どもを持つ私たちJCメンバーが先頭に立ち、子どもたちが夢や希望のもてる社会を築く為には何をすべきなのか、みんなで考えましょう。
また、子どものころに体験した出来事はいつまでも心に残るものです。その体験が素晴らしいものであればあるほど、人間形成に大きな影響を与えるでしょう。私たちは子どもたちと正面から向き合いそんな素晴らしい体験が出来るきっかけを作り、可能性を秘めた子どもの将来に役立つことが出来るなら、こんな素晴らしいことはないでしょう。
【会員の成長と組織進化】
青年会議所は、多くの学びや気付きを得られることから「人生最後の学び舎」とも呼ばれることがあります。私は、知識を得る場所ではなく、様々な価値観を持つ人がそれぞれの意見を持ち、それを議論しあい切磋琢磨することで成長し、心と才能を開花させ、人間力を養うことのできる場であると考えます。
まちづくり、ひとづくりを提唱している我々は、青年会議所メンバーとして、社会を構成する青年経済人の一人として、また地域に暮らす住民として、自信と誇りを持って責任ある行動ができていますか。まずは、メンバーの心の成長に目を向け、その変化を背中で語るメンバーになることが、我々青年が目指す姿であります。そして、自らの心の意識が変われば行動や言動が変わり、周囲の目も変わります。つまり、自らの意識を変革する事によって、まちや社会をも変革することができるのです。その心の持ち方を学び、輝けるまちの原動力となる “人間力”を育成していきましょう。
また、組織とは共通目的を持ち、その達成のために協働を行う個の集団であります。組織力の向上には、相互が認め合い、助け合い、切磋琢磨する交流を実施し、絆を強固にすることが必要です。対内対外問わず、多くの交流を行うことで個を成長させ、組織を強化させましょう。
【JAYCEEとしての資質向上】
JCの創設者ヘンリー・ギッセンバイヤーは「積極的変化(ポジティブチェンジ)を作り出すのに必要な指導力、社会的責任、友情、企業家精神を発展させるために青年に機会を与えることによって地球社会の発展に寄与すること」が真のJCの目的であると考えました。JCは私たちに様々な「機会」を平等に与えてくれます。その「機会」をチャンスと捉えるのか負担と感じるのかは人それぞれ違うと思います。私たちはこの与えられた「機会」に感謝して英知と勇気と情熱をもって取り組んでいくことが重要です。将来の地域発展を担うリーダーとしての人材育成をも含めた人づくりを行う団体として「修練・奉仕・友情」の三信条を今一度見つめ直し、メンバーが自己(じこ)研鑽(けんさん)に真摯に取り組み、与えられた「機会」から積極的な変化を作り出すことで、新たな自分を探しましょう。
【結びに】
昭和42年4月7日に初代理事長である森下一之助先輩をはじめとする6名の発起人により岡山青年会議所のスポンサーのもと日本で345番目の青年会議所として、その産声を上げたこの備前青年会議所。「明るい豊かな社会」の実現を目指して先輩諸兄の熱い志と情熱によって時代と共に変わり行く社会情勢の中、さまざまな事業を展開してきました。そして現在では誇るべき組織力と実行力を持ち、地域の期待を担う団体にまで成長してきたと確信しております。
今年度は50周年という大きな節目を迎えます。創立から現在に至るまで先輩諸兄が守ってこられた創始の精神、地域の団体や行政との繋がりがあったからこそ今、我々は活動できるのです。その精神を守りつつも現状に満足することなく、いま何をしなければならないのかを考え次世代を見据えて行動していかなくてはなりません。
地域から本当に必要とされる団体となるために、一人が変われば地域も変わるという意識変革団体としての信念に基づき、メンバーが自分自身を成長させることが必要です。そして備前青年会議所が持つ魅力をメンバー一人ひとりが実感し、自信と誇り、情熱を持って人や地域社会と繋がることで「明るい豊かな社会の実現」に向かうと確信しています。備前青年会議所の新たな歴史を刻むため、ともに歩んでいきましょう。
【LOM基本方針】
1.組織基盤強化に繋がる会員拡大への積極的な取り組みの実践
2.リーダーとしての姿を示す50周年の実施
3.迅速且つ的確な情報発信
4.ネットワークを駆使して他を巻き込み繋がりの中で多角的な事業の展開
5・未来を担う子どもたちの豊かな人間性の育成
6.積極的な機会の提供によるJCの魅力創出と人財育成